かかり釣りの魅力だけではなく、大変なところもお話しして、その後でそれでもなおこの釣りがやはり魅力的だという結論に持っていこうというのが今日の算段です。
分かりやすいように防波堤を始めとした陸からの釣りと比較してみます。
まず初めに、チヌかかり釣りは釣りをする環境が限られていること。
陸からの釣りは立ち入り禁止の場所等を除けば日本全国、大抵の海岸線から何かしらの釣りを楽しむことができます。
しかしかかり釣りは基本的に筏やカセを設置、運営している渡船店を利用することが前提です。
そのことにより1日平均3000円から4000円くらいの渡船料がかかります。
まずこれがデメリットとしては大きいかもしれませんね。
そしてその環境が用意されている場所が限られていることから、住んでいる地域によっては釣行のたびに長距離を移動せざるをえない場合もあります。
それから陸からの釣りはその環境によりいろんな釣り方を楽しむことができ、それらの釣法どうしでロッドやリールをはじめ、共通した道具を使えることも多いです。
筏やカセからもいろんな釣りをして差し支えありませんが、それはかかり釣りとは言いませんのでここでは除外することとします。
チヌかかり釣りはとかく専用の道具が多いこともこの釣りを始めるにあたり、障壁のひとつだと感じる人が多いかもしれません。
それから荷物が大変多いこともこの釣りのデメリットとしてあげておかないと、それを知らずにこの釣りを始めてしまうとびっくりしてしまうことでしょう。
一方陸からの釣りはロッドとリール、ラインとルアーだけで成立するような手軽な釣りが多数存在します。
次に特に女性の場合、トイレ問題は避けては通れない大きな障壁になっています。
筏によってはトイレが設置されているものもありますがそれは大抵、決して快適なものではなく基本的には筏の一部に穴があってそれを囲っているだけだと思っておいた方が無難です。
漁港等からの釣りだと近くにちゃんとしたトイレがある場合も多く、それがなくても少し移動すればコンビニがあったりもして困る事は少ないでしょう。
それから陸からの釣りはいつでも自由に、行きたい時に行って帰りたい時に帰ることができますが、かかり釣りは渡船利用ということから、それができない場合もあります。
さてここまでズラリと並べたかかり釣りのデメリット、障壁を聞いて、始めてみたいと思っていたけどやっぱり大変そうだなあ、やめとこうかなあと思った人も多いかもしれません。
しかしここからはそれらのデメリットも裏返せばこの釣りの素晴らしさ、魅力でもあるんですよとか、場合によってはそれも解決するできていますよというお話をしていきたいと思います。
まず渡船店利用が基本だということからの問題について。
渡船料の支払いは確かにお小遣い的に厳しいかもしれませんがたったそれだけの料金で、1日大の大人が朝から晩まで思い切り楽しむためのスペースをひとりで、もしくは友達や家族と占有することができるのはすごく楽しくてストレスのないものです。
各地の漁港をはじめ、陸からの釣り人が多く訪れる場所では様々な問題が見受けられます。
まず1番にゴミ問題。これは個人的におそらくは少なくとも当分の間解決することはないと思っています。
せっかくの休日をあのひどいゴミの中で過ごす事を私はあえてしようと思いません。
その点かかり釣りファンの皆さんは大抵その辺のマナーに関しては徹底しています。
そしてどちらの釣りも全ての人がその釣りに慣れているとは限りません。
当然どんな釣りにもビギナーは存在します。
陸からの釣りをしている人が、まだルールやマナー的なことをよく分かっていない初心者を邪魔者扱いしたり、こき下ろしたりするような発言をよく耳にしたり目にしたりしますが、かかり釣りの場合は一旦筏に渡してもらえば後はほとんど誰にも気を使うこともなく、思い思いの時間の過ごし方を楽しむことができます。
また陸からの人気ポイントでは、主にその地の常連による悪質な場所取りの問題もあり、個人的にはそれが最も耐えがたいことなのですが、それもかかり釣りでは存在しないストレスです。
かかり釣りをするためにどうしても長距離移動せざるをえない場合、それに関してはどうしようもありませんが、昔と比べれば各地の高速道路も伸びましたし、渋滞もずいぶん少なくなったと思います。
それに私は各地への釣行は半ば旅行を兼ねたような楽しみ方をしています。
地方地方の美味しいものを堪能したり、温泉に寄ってみたり、その地方の名物を買って帰ったり、少し遠いからこその楽しみ方もありますよね。
昔はサービスのよくない渡船店も多かったのですが、最近では親切な渡船屋さんの方が多く、出船時間や帰港時間の融通をきかせてくれるところも少なくありません。
また特に女性のトイレ休憩のために迎えに来てくれる渡船店も増えてきていて、今やそれが珍しくなくなってきています。
どうしてもポイントまでが遠かったり、昼間は他の水産業等を営んでいる渡船店もあってそういったことが難しい場合もあるでしょうが、その点は予約時にあらかじめ問い合わせておけば安心です。
もしもその時の対応が悪ければそんな渡船店は避ければ良いですし、むしろ親切な渡船屋さんの方が今は圧倒的に多くなったと思います。
次にかかり釣りは専用の道具が多くてそれがこの釣りの敷居を高くしているという点についてですが、逆に言うとそれら専用のタックルが存在することによりこの釣りの面白さ、奥深さを増していることも確かです。
昔は逆に専用の道具があまりにも少なくて、他の釣り用のものをいろいろと工夫して流用していたものです。
それが各メーカーの努力により、今ではロッドにしろリールにしろその他の小物にしろ多くの素晴らしい専用タックルが世に出回ってこの釣りの楽しさが随分と増しています。
かかり釣りはダンゴを使う分どうしても他の釣りと比べて道具が多く、また重くなりますが、渡船店までの移動は普通クルマを使いますし、ポイントまでは船で送ってもらいます。
筏やカセに上がってから道具を持って歩いて運ぶと言う事はよほど広い筏でない限りありませんし、あってもその距離はたかが知れています。
防波堤等の釣りだとどうしても手に持って運べる量と重さの範囲で荷物を限定しないといけませんが、かかり釣りの場合はそこを気にする必要はありません。
時々バカみたく無駄に荷物の多い人を見かけることもあり、それは迷惑になりますので慎んでほしいと思いますが、朝から晩まで快適に過ごすための例えばパラソルであるとか、冬ならお湯を沸かしたり暖を取るための練炭やガスバーナー等も持ち込むことに大きな苦労はありません。
中には海の上で鍋料理や渡船店から許可されている場合にはバーベキューの用意をして楽しむグループもいたりします。
あと筏にしろカセにしろ、例えば磯釣りや防波堤でもテトラポットからの釣りのように足元が悪く危険な事もありません。
万が一の落水時や暑さ寒さの対策をしっかりしてさえいれば、小さなお子様連れでも比較的安全に、ある意味気軽に、また周りの人に気を使うこともなく思いっきり楽しむことができるのがかかり釣りです。
それからかかり釣りでは風光明媚なロケーションが多く、そういったポイントでは四季折々の美しい自然の中で身も心もリフレッシュすることができます。
特に都市近郊の陸からの釣りにありがちな、釣り人の数に対して魚がすごく少ないような感覚もかかり釣りでは他の釣りと比べて少ないと思います。
かかり釣りでは基本的にダンゴを始めとしたマキエを打つ釣りを皆さんがしますので、筏やカセの足元には魚が集まりやすい状況ができています。
そもそも筏やカセは基本的にその海に詳しい船頭さんが魚の通り道や寄りやすいポイントに設置していて、中には魚礁等の人工的な仕掛けをしているポイントまであったりもします。
なので初心者でも比較的簡単に、チヌだけではなく陸からはなかなか釣れないような大きなマダイやアジなどなど、いろんな美味しい魚が竿を曲げて釣り人を楽しませてくれます。
ここまでお話してきましたように、確かにかかり釣りを始めるにあたって敷居を高くするような、二の足を踏ませるような要素は多少あるのかもしれませんが、ほんの少し思い切って、飛び込んでさえみれば、その日から誰にでも楽しめる魅力もいっぱいの釣りがこのかかり釣りという釣りです。
私は1人でも多くの人にその魅力を知ってもらい、この釣りを末永く楽しんでもらいたいと思っています。
そのためにこのブログを始めいろんな媒体での発信をこれからもしていきたいと思いますし、どの媒体でも私と交流を持ってもらえれば微力ながら個人的なアドバイスもさせていただきたいと思っていますので、何かありましたらどうぞ気軽にお問い合わせ、ご質問をしてみてください。