かかり釣りにはなくてはならないダンゴですが、その量はいったいどのくらい用意していけばよいのでしょうか。
ここ15年ほどで驚くほどの量を持っていく人をよく見かけるようになりましたが、果たしてそんなにたくさんのダンゴが必要なのでしょうか?
ハッキリ言います。
そんな人はダンゴ材のメーカーの策略にまんまと踊らされているだけとしか私には思えません。
私が1日の釣行で持って行くダンゴの量はほとんどの場合15キロです。
しかもそのうちの5キロは稀に足りなくなることがあるのでそのための予備です。
ほとんどの釣行は1日10キロで足りるということです。
1日にダンゴを30キロも40キロも撒いて、私より釣果ををあげていると自信を持って言える人がどのくらいいるというのでしょうか。
そんな人は私が思っているより多くいるのかもしれません。
しかしそんな人が思っている以上に私が釣果をあげていること、あげることができることも事実です。
1日の釣行で5000円も10,000円もかけて無駄なダンゴを大量に準備し、それを額に汗しながら運び、釣りをしているのか埋め立て作業をしているのか分からないような撒き方をし、それでも私と同等かそれ以下の釣果しかあげられないのだとしたらそれはスマートだとは思えません。
これは雑誌を始めとしたマスメディアが振り撒いた悪影響で、以前私も意図せずとは言えその片棒を担いでいた時期があり大変反省しています。
あるダンゴ材のメーカーは自社の製品をたくさん売りたいがために、その目的に反するスタイルで釣りをするアングラーをマスメディアから排除します。
これにはいくつも証拠や証言ががあり、もし反論があればそれらを列挙することもできますが、ここでは話が本筋と離れてしまいますのでやめておきましょう。
仮にですよ、撒けば撒くほど釣れるのだとしたら、それが真実だとしたら、私はいますぐにでもこの釣りへの情熱を失ってしまい、釣り場へ足を運ぶことをやめてしまうことでしょう。
考えてもみてください。何もいないところにいくらダンゴを撒いたところで、そのこと自体でチヌを集めることができると本当に思いますか?
ダンゴを撒いているところにたまたまチヌが通りかかるのです。
そのチヌが釣られる前にまたもう1匹そしてまたもう1匹とたまたまダンゴに気づいたチヌの数が増えていった状態のことを「チヌが寄った」と言うのです。
カセで釣りをしていて、あまりにも釣れないので釣座の裏側へ落とし込んでみたら一発で釣れた、なんて経験もしたことがある人も多くないですか?
私は数えきれないほどあります。
散々ダンゴを打っている足元で釣れないのに、なぜその裏側で釣れたり広角でないと釣れないことが度々あるのでしょうか?
ダンゴには皆さんが思っているほどチヌを寄せる効果はありません。
これだけは断言しても大丈夫だと思います。
少なくとも「たまたま」かなり近くにチヌがいたか通りがかるかしないとチヌは釣れないのです。
ある人が言っていました。
そんなにダンゴにチヌを寄せる力があるのなら、どうしてエサメーカーのテスターをやっているような名人たちは血眼になって釣れている釣り場を探し、選ぶのか?
全くその通りだと思います。
バカみたいに打って釣れるなら、40キロと言わずに100キロでも200キロでも打てばいいのにと思ってしまいます。
ただしそうなれば私はこの釣りをやめますし、この仕事もやめるでしょう。
さらに言うと、この釣りをしない人がそんなに大量のダンゴを運び込み、打ちまくっているところを見たらどう感じるでしょうか?
環境破壊に繋がると言われても致し方ないかもしれません。
私は15キロというよりは、出来るだけひとつのバッカンに入る量までという自主的な歯止めをかけています。
実際には使わない予備の材料やバッカンに入れていく方が都合の良いダンゴ材以外のものも含めると15キロくらいまでしか入らないですし、その量でほとんどの釣行では使い切れないくらいです。
ここまで書いてきたことはもちろん私の個人的な見解であり、それ以上使ってはいけないという明確なルールがあるわけでもありませんから、これを他人に強要することはできません。
しかし、どこまでも歯止めが効かなくなってしまえば、かかり釣り師全体にとって良いことはないと思います。
多くのマスメディアがスポンサーの都合の悪いことを報じないことは今や常識として知れ渡ってきています。
なのにかかり釣りファンがいつまで経っても雑誌のミスリードに踊らされっぱなしというのはいかがなものかと思います。