ニシダ流逆転のタックルチョイス

※YouTubeチャンネル ISSEN by NSRで解説したり、視聴者さまからのご質問にお答えしたりもしていますが、文字でも読みたい人向けに一部加筆等を行ってこちらのブログにも転載していきます。

できるだけ直してはいるつもりですが、もともと話し言葉で書いていた台本が元となっていますので、一部読みにくいところ等があるかもしれませんがご了承ください。

以下転載

皆さんこんにちは。ニシダテツヤです

このブログを読んでくださっている人の中には、かかり釣り初心者の方とかまだやってみたことはないけど、面白そうだなあ、やってみたいなあと思ってる人も多いと思うんですよ。

そんな人に向けて今日は私が実際の釣行に向けて、どんなことを考えて、どんなタックルを選んでいるのか、ということをテーマにお話をしていきたいと思います。

ニシダ流タックルチョイスの肝ですね。

一言でかかり釣りと言ってもいろんな釣り方というか狙い方がありますよね。

例えば真冬のほとんどアタリのないような、じっくり粘って、耐えて耐えて一発年無し!みたいな、何だったらロクマルを狙うぞ!みたいな釣りまででいろいろですね。

ちょっとでもデカいのが釣れる可能性がちょっとでも上がるんだったら、中途半端なサイズはいらないって釣りもあるし、逆にどれだけ小さくてもとにかく数をたくさん釣りたい!みたいな、100枚とか200枚とかそんな釣りもありますし、本当に様々です。

季節とか狙うサイズとか釣り方とか釣り場の水深とか潮の速さとかそんないろんな状況にマッチしたタックルをどうやって選んだらいいのかということは、案外最初は難しかったりするんじゃないかなと思うのですが、じゃあいったい何を基準に何を考えてタックルの組み合わせを決めていくのかということを今からお話ししようと思います。

しかし初心者の方だったら、そんなに何本もロッドを持ってないよって方も多いですよね。

というかだいたい普通はそうなんでしょうけど、そんな人でもこれから新たにロッドだけじゃなくていろんなタックルを購入するときに今日のお話がお役に立てばいいなということで進めていきますね。

私の場合ということでお話していくのですが、釣行先が決まった時点でまず何を考えるかというと、その釣り場でどんな釣りをしたいかということです。

まず出るサイズ。

それから数、アタリの数ですね。

アタリが多いか少ないか。

どんなサイズがどのくらい釣れるか、それがまずあって、それにラインは何号だったら一番いいのか、最初にそれを考えます。

それが決まったらそのラインの特性を一番活かせるロッドはどれなのかということを考えます。

もちろんリールやハリとかもそうですが、その前にまずラインを決め、そしてロッド。

そこを私は一番に考えます。

かかり釣りのラインというと基本はフロロカーボンラインで1号から3号までというのが一般的だと思いますが、最近だとPEラインが流行っていたりもして惑わされる人も多いと思います。

しかしそこはもう無視していいです。

PEはいりません。

そのことにつてはまた機会があれば別のトピックでお話ししたいと思いますが、今日はさらっとだけ言っておきますと、PEラインには特にメリットはありません。

いろんなメーカーさんもいろいろ新しいものを出していかないと売るものがなくなりますから、あれがいいだのこれがいいだのと言いますが、基本そんなものはなくても十分、もしくは十分以上に釣れますから。

というか、基本をしっかり押さえた釣りをしないとかえって釣れなくなってしまいますよ。

少なくとも消費者の立場から見たらそれはいらないよというものの中の代表例がPEラインだと思っています。

これについては異論がある人もたくさんいると思いますけど、私のこれまでの経験の中から言うといらないなと、そう考えるのです。

そんなわけでラインの話ですが、単純に釣れるであろうチヌのサイズに合わせてと言ってしまえばその通りなのですが、そこはそんな単純な話ではないのです。

例えば、同じ大チヌを狙う釣りだとしても、その釣り場の水深が深いのか浅いのか、潮が速いかそうでもないのかということでも使うラインのサイズは変わってきますし、季節によってアタリの数、期待できる釣果数も変わってきます。

真冬だったら1日頑張ってアタリが1回か2回くらいしかないとか、盛期ならそれが何度もあるからとか、要するに1回のアタリの価値の大小ですね。

1回のチャンスを何が何でもとりきりたいとか、1回や2回のラインブレイクは覚悟のうえでアタリを多く出したいとか、同じ大型狙いでもその時々でいろんな釣り方がありますよね。

障害物があるとかないとか、牡蠣棚や養殖コワリだとロープに巻かれやすいから太いラインでイッキに取り込みたいとか、釣り場的要素も様々です。

そういう諸々を考えて、よしじゃラインは2号でいこうとか、いやいや掛けたら絶対捕りたいから3号でいこうかというように考えます。

その時のその釣り場で釣れるであろうサイズがどのくらいなのか、その中でどのサイズに合わせるのか。

いちばんデカいのに合わせるのか一番小さいのに合わせるのか、それとも中間的なサイズに合わせるのかということもあります。

大きめのチヌも期待できるけれどそれよりもテクニカルに数を狙いたければ一番小さいサイズに合わせたラインサイズになりますし、中型も釣れるけど大型も出るからデカいのに合わせて太いラインを使おうという場合もあるでしょう。

当たり前の話ですが、基本は狙うチヌのサイズが大きければ大きいほど太いラインを、小さければ細いラインをという、まずそこからなのですが、ほかの要素も考えてラインサイズを決定するということです。

潮が速ければ太いラインで釣るのは難しくなりますし、水深が深ければ少々細めでもライン自体の伸びがいいクッションになって十分使えるとかそういうことですね。

大丈夫だとしたらラインは細いほど使いやすいですし、より繊細な釣りができますし、よりセンシティブな釣りを可能とします。

だけどロープ等の障害物があるから釣りにくくても太いラインじゃないとダメだとか、アタリがおそらく1回とか2回とかしかないから少々釣りづらくても太いラインでいこうとか、そいう感じで最終的にラインサイズを決定します。

そうやってラインサイズが決まってから、そこでやっとロッドをどれにしようかという話になるのです。

私は竿屋なので、真っ先にロッドを決めるように思うい人もいるかもしれませんが、ロッドはあくまでもラインを活かすために選ぶものだと思っています。

もちろん、今日はこのロッドの宣材用というか、そういう動画を撮るために釣行するというパターンもありますが、そんな時でもこのロッドにはこのラインがバッチリだからそのラインとロッドの組み合わせに一番いい釣り場はどこかということで釣り場を選ぶので、順番は入れ替わりますが基本的な考え方は同じなのです。

当然ラインが太ければ硬い、しっかりしたロッドを選びますが、それにしても同じ硬いロッドと一言で言っても、例えばギューッと曲がってからしっかり粘るロッドなのか、それとも初期から強い減衰を発揮し、とにかく先手を取るんだってロッドもありますからね。

基本深場では結構曲がってから粘るタイプの、うちのモデルで言うと、160F5とかになり、それは太いといっても3号ではなくて2号あたりのラインが使えるモデルです。

逆にどうしても3号ラインを使いたいからとか、ロープに巻かれるからとか浅場での一発狙いだからとかいう場合はロッドもフッキングの瞬間から強さの出る、乱暴な言い方をすればガッチガチのロッドが要るなとか、そんな具合に考えていきます。

うちのロッドで言えばモデル名の末尾にDの文字がつくモデルで、継径4ミリのしっかりしたものです。

D2とかD3か、宇和島とか沼津みたいに80センチオーバーのマダイ等、チヌ以外のモンスタークラス外道も出るし捕りたいというならD4とかD5です。

と、ここまでお話してきた中でひとつ気が付いたことはないでしょうか?

これに気付いた人がいたら鋭いなと思いますが、私はここまでにロッドの長さについて一言も話していません。

長さについてはひとつ私の中で結論というか答えに行きついたなと思うところがあって、それは自分にとって一番使いやすい長さは160~165センチだなということなのです。

使うラインの太さによって、言い換えればどのくらいの力が必要かということによってはグリップエンドの長さが必要なこともありますので、その部分でプラス5センチという場合もあります。

なのでそれも含み160~165ということで、要するに実質160センチが一番使いやすいということです。

釣り竿というのは基本長ければ長いほどいろいろと考えれば有利なのですが、それは理屈で考えればということですね。

しかし人によってリーチが違いますし、好みもあります。

俺は長めが好きだとか短めが好きだとか(短すぎはお勧めしませんが)前後5センチくらいは個人によって一番使いやすい長さの幅はあると思います。

なので人によっては165~170がベストだとか、155~160が一番しっくりくるとか、そのくらいの範囲の中だとそこまでロッドのバランスを崩すことなくその性能を活かした魚とのファイトが楽しめると思います。

私的結論で言うと特別に事情がない限りはその長さがベストです。

極端に長いロッドを使いたいとか、極端に短いロッドを使いたいとか、どうしてもという事情があれば別ですが。

例えば堂浦のカセですね。

長いのだとうちのユーザーさんにも、こだわりがあって1.2号以上のラインは使いたくないからF2とかF1の2メートルとかそれ以上のロッドばかりを使用している人もいます。

それはその人のこだわりというか楽しみ方なのでそれはそれでいいのですが、理屈で言えば理想の長さとはこのくらいだなと言うのが先ほどお話ししました、160センチ前後ということなります。

これはあくまでも私的理屈いう話ではありますが。

補足ですがうちのロッドの場合長さはグリップエンドから穂先の先端までの全長で表記しますので、ここでもその基準での寸法です。

だからこれからロッドの購入を考えてる人は迷わず160センチでいいと思います。

それで慣れればそれがベストの長さです。

長い経験の中から導かれた結論ですからそのことについては私を信じていただいて間違いはありません。

なので長さのバリエーションはさほど必要ありませんので、強さ、硬さの違うロッドを何本か持っておけばベストです。

これはカセだから特別短いのがいるとか、筏だから長いほうがいいといったことは、よほど特殊な事情がない限り考える必要はありません。

繰り返しますとこれはあくまでも私の個人的な意見でしかありませんが、しかしこの道30年どころではない私が出した結論ですから、信じていただいて大丈夫です。

ここまでにラインとロッドの話だけで長々とお話してしまいましたが、あとはサラッと触れておきたいと思います。

それではあとリールとハリについてですね。

リールは、私の場合いまのところ全て下向きです。

黒鯛工房とシマノを使っていますが、ドラグ性能とかノントラブルな感じで言えばシマノですが、使いやすさやスプールフリー性で言えば黒鯛工房ですね。

その辺は一長一短があり、あとは好みで選んでいただければいいと思いますが、ギヤ比は低いものを強く推奨します。

いま現行で販売されているリールはハイギヤばかりが目立ちますが。

このハイギヤというのも先ほどのPEラインと同じくメリットが見出せないばかりか、逆にデメリットばかりが目立ちます。

この件に関してはずっと何とかしてほしいと思っていて、メーカーさんにも直接お願いしているのですが、なかなかまともには聞いてもらえないようです。

手に入らないのなら仕方がありませんが、比べたら間違いなくローギヤモデルの方が明らかに良いです。

ちなみに中古市場でも特にローギヤモデルのハイエンドモデルは取引価格帯が高等しているそうです。

だからその件について同じように考えている人は私だけでなく多くいるということなのでしょう。

メーカーさんにはぜひその点を考えてほしいとお願いしたいところです。

ギヤ比に関してはそんなところですが、あとはドラグ付きのモデルか、ドラグレスのモデルかというところでしょう。

これに関しては私の場合単純に使用するラインサイズによって決めていて、2号以下のラインを使用する場合はドラグレスを選び、2.5号以上のラインを使用するときはドラグ付きのリールを選びます。

この境目に関しては人により腕力や握力も違いますので上下してもかまわないと思います。

女性とかだと非力な人が多いので1.5号以上のラインを使用するときはドラグ付きのリールで、といった具合でいいでしょう。

リールに関しては現行モデルに気に入ったものがなく、メーカーにはもっと良いものを出してほしいと望んでいますが、特に黒鯛工房には頑張っていただきたいと思っています。

そして最後にハリについてです。

これは魚の大きさに合わせて大きなチヌを釣るなら大きなハリを、狙うチヌが小さいならハリも小さくというのが基本ではありますが、しかしサシエの大きさというのも考慮すべき点としてあげられます。

私の場合はどちらかと言えばこちらの点を重視しています。

とはいえ、例えば3号のラインにあまりに小さいハリだとすっぽ抜けやすいので注意が必要です。

私の場合ラインが3号なら通常ハリは小さくても4号からです。

逆に細いラインにあまりにもきなハリを結ぶということもありません。

細いラインを使うときというのはロッドも柔らかいものを使いますが、そのような瞬発力やパワーのないロッドでフッキングしてもハリが貫通しにくいのです。

ハリは通常、サイズが大きくなればなるほど軸も太くなっています。

太いハリだと絶対に貫通しないというわけではありませんが、確率論で言いますと貫通しないことが増えてしまい、せっかくアタリを捉えたのに掛けきれなかったとかファイトの途中でハリハズレによるバラしが多発したりといったことに繋がりやすくなってしまいます。

太いハリは貫通しにくいということです。

余談になりますが、そういった観点から私はしっかりしたロッドを使用する大チヌ狙いの場合であっても、例えばウルトラ競技チヌといったような極端に軸が太いハリは使いません。

かかり釣りロッドというのは基本グラスロッドですから弱いのです。

磯竿のように長いものや、もっと硬いロッドでガツンと強くアワせるのであれば話はまた違いますが、かかり釣りロッドはそのようなロッドではありません。

私のハリの号数設定はおおむね、数釣りなら1~3号くらいで、大型狙いなら4~6号です。

6号は真剣にロクマルを狙うぞというような場合にしかあまり使いません。

あとはそれにエサの大きさです。

ボケが大きめだからハリは5号にしようとか、エビが小さいからとか、生ミックをひと粒で使いたいからハリは1号でとか、そんな感じです。

ここは直感的にわかりやすいと思いますのでこのくらいにしておきたいと思いますが、大体伝わったでしょうか?

今日のお話しで特に重要な部分は、ラインの号数はこうやって選びますよ、だからロッドはこんなのを選びますよ、ということです。

上手くお伝えできたかどうか分かりませんが、また何か少しでも皆さんのお役に立てそうな話題をお話ししていきたいと思います。

それでは今日はこのへんで。

最後までお読みくださいましてどうもありがとうございました。